2016年7月10日日曜日

リーマンショック前の水準を回復出来ない"広義の失業率"について

8日(金)に発表された米・雇用統計において失業率は4.9%でした。これは先月値よりも0.2%悪化したものの、失業率が5.0%を下回る水準は「完全雇用」と呼ばれる状態であり、職探しを諦めた人の増加による労働参加率減少の影響も大きいもののリーマンショック前の水準を回復しています。


雇用統計時に米労働省(DOL)から発表される失業率ですが、失業者の深刻度や労働力の有効活用の観点から実は6種類に分けられています。国際労働機関(ILO)が定める全世界共通の失業率指標である「労働力人口に占める失業者の割合」が一般的に言われる"失業率"ですが、正確には"U-3失業率"と呼ばれます。他の5種類については以下の通りです。

U-1:15週間以上の失業者の割合(6月2.0%)
U-2:解雇・一時契約期間完了者の割合(〃2.4%)
U-3:失業者の割合(=公式の失業率)(〃4.9%)
U-4:U-3に職探しを諦めた人を加算(〃5.2%)
U-5:U-4に兼業等で働けない人を加算(〃6.0%)
U-6:U-5にやむを得ずパートタイム労働をしている人を加算(〃9.6%)


この中でもU-6失業率は「広義の失業率=真の失業率」とも呼ばれ、失業をより広く全体的に捉えることが出来る指標と言われています。連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ開始時期を見極める上で注視する米国労働市場においてもU-3失業率と共に注目されています。

U-3はリーマンショック前の水準を回復しましたが、U-6は6月時点で9.6%であり2009年後半の17.1%からは低下しているものの、2006年~2007年の8%台の水準と比べると依然として高い事が分かります。

U3とU6の乖離はなかなか縮まらない状態が続いていますが、現在失業者・不完全雇用者は1,600万人おり賃金上昇が緩慢な要因の1つと考えれています。今後米・労働市場の回復を判するためには、U-6失業率にも注目する必要がありそうです。

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